生きることについて

 昨日、自分がボケッとした時間を過ごしていた日、とんでもない事件が近所で起きていた。歩いて30秒程の隣の団地で殺人事件があった。
 殺人事件といっても老夫婦のご主人が癌で寝たきりになった為に死を切望し、奥さんがその望みを遂げさせた上、自らも命を絶とうとしたが死に切れずに警察に通報した事件だ。

 のどかに暮らしている家庭があれば、地獄のような思いで毎日を切り抜けている家庭がある。人生の終盤に来て、犯してはならない罪を犯してまで望みを叶えた人。病床に伏すと、その望みを叶えることで、愛した相手が罪人となってしまうことすらわからなくなってしまうのだろうか。
 決して同情する気持ちはなく、人生って最後の最後までわからないものなんだなと、つくづく思った。

 今自分がこうして生きているのも人々に支えられた時期があったからこそだし、感謝の気持ちは未だに絶えない。けれども、年月が過ぎ、その方たちとも疎遠になったことを思うと、遠くではあるが、同じ空の下に暮らす方々に「ありがとう」と思うのみになっている。それでもいいかもしれない。具体的な形でお礼が出来ればそれに越したことは無いけれど、それでお終いにしてしまっても寂しい。

 「どうか幸せでいてください。」と思う気持ちがずっと続けば、それが波動になって本当に幸せでいてくれるような気がします。

 どんなことがあろうとも人生は全うしてください。決して自分で終止符を打たないで、いつかは必ず終わる日が来るのだから。今だけが人生じゃないんです。